オーバーホール

絶賛台風中だけど、俺は夏休みの思い出をここに記す。
9/23から9/29まで、俺は山形県の庄内地方でオフを過ごしていた。
静かだし、食べ物もお酒も空気も美味しいし、野鳥も沢山いる素晴らしいところ。
しかし、俺が圧倒されるのはその風景だ。
鳥海山(夕暮れ)

これは俺が滞在していた観音寺っていう場所(旧飽海郡八幡町)の、本当に目の前に見える風景。
リアルでこういう場所だ。盛岡には岩手山があるみたいに、この山はこの町のシンボルだ。
信仰の対象ですらあるらしい。それは分かる。こんなもの、人間の手には作れない。

さて、この鳥海山は庄内地方に素晴らしい恵みをもうひとつもたらしている。それは「水」だ。
鳥海山の伏流水はこのあたりの作物を育てるのにも重要だし、牧畜にも、水産業にも重要だ。
ちょっと見落としがちなんだけど、牡蠣が美味しい場所ってあるけど、そういうところに流れ込む川や、近隣には豊かな森がある。広島も、三陸もそう。森や山が海にもたらすミネラルは豊かな水産資源のためには重要なんだ。滞在中に最も多く食べたものは多分魚だと思う。いい魚が、リーズナブルに手に入るんだ。
そして、米所でもあるし、水もきれいなので、酒造が本当に多い。

ここは有名な上喜元さんだけど、ここ以外にも麓井、楯の川、初孫など、日本酒界の松坂世代かと思わんばかりの綺羅星のごとく輝く酒造が群れをなしている。

酒造があるっていうのは、実はお米やお水に加えて古くからの文化が重要。庄内地方にはかつて酒井家が居城を構えた鶴岡と、商業都市酒田がある。俺がいた場所は、この商業都市酒田の10キロ圏内にある場所。滞在中はちょこちょこと足を伸ばして買い物したり、町を散策したりした。
「古い町にはグルーヴがある!」というのは俺の持論。古い町には独特のビートがあって、そこに住む人々の空気感があって、混じり合ったところに魅力があるって俺は信じているんだけど、酒田は非常に良質なグルーヴを出していた。古い商業都市とは言え、かつては大商人として名を馳せた本間家ゆかりの町。東京みたいなきらびやかさは無いけれど、洗練されて落ち着いた町並みはふらついているだけでも充分楽しい。クリーニング屋さんと美容室がやたらと多かったのはこの町に住む人たちのニーズを表しているのか、町行く人は老若男女皆身なりが奇麗な美男美女だ。
ちなみに、ライブハウスも楽器屋さんもある。特にライブハウスの酒田MUSIC FACTORYさんは様々なミュージシャンがイベントをやっているみたいで、10月にはGOING UNDER GROUNDやフラワーカンパニーズも出るらしい。

そうそう、この酒田から飛島っていうところにも行ったよ。長くなるから別に書くけど、ここも面白かった。

というわけで、こういう奇麗な場所で約1週間過ごした。
その間、バンドのこととかすっかり抜いてしまったのか?っていうのは愚問だぜ。
実はここで毎年オフを過ごすから、こっちにもベース一本置いてあるんだ。
現地妻
山形現地妻こと、プラネットソルジャー君。聞いた事のないブランド名に違わず、安かった。しかし結構鳴る。9800円とは思えない代物。
思えば去年、ブランクから救ってくれたのもこの子だった。そういう意味では非常に重要な役割を果たしている。
今年も滞在中は大活躍。1年に1回しか弾かないのが少し心苦しいが、厳しい冬を乗り越える度に音が締まって来ている。
引き続き現地妻として頑張れ。

曲も、アイデアベースではあるけど、いくつか出来た。これは早くフルハウスで合わせたい。

音楽は、見えないものを感じながら音を使って表現するものだから、知らない場所や知らない町から影響を受けることはすんごく重要だと思っている。悪い影響(これはそういう場所もあるから)じゃ困るけど、良い場所から得る良い影響はウェルカムだ。この庄内は、まさしくそういう場所なのだ。
プライベートも良いけど、いつかツアーで回れたら最高だろうな。
ともかく、充実したオフを過ごしたのでした。
さあ、また来年のオフ目指してがんばるぞー!!!
夕景

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静寂の力

山形でオフを過ごしています。
ここで過ごす日々は俺の大切なエナジー。

夜が、静かで、真っ暗って、知っていますか?

みんなご存知。でも、俺は知らなかった。知らない人間にこの闇は優しい。

つまりはチューニングです。体内時計とか、いろんなものの。

魚も、酒も、アトマスフィアもこの街は最高。やりたい放題の街。


空の王(昆虫編)

今日は僕が最も好きな昆虫のひとつ、トンボについて。

トンボと言えば、秋の代表的な昆虫として昔から日本人に親しまれてきたようで、古語でトンボは「アキツ」と呼ばれていました。(秋は昔から秋と呼ばれていたようです。)

万葉集には

あきづ羽の 袖振る妹を 玉くしげ 奥に思ふを 見たまへ我が君

なんて短歌もあるくらい、トンボは親しまれてきた昆虫なのです。

そんな馴染み深いトンボですが、生物としては、太古から現れて、しかもほぼ今のトンボと変わらない形で化石になっています。
中でも有名なのは石炭紀(約2億9000万年前)に活躍したメガネウラでしょう。最大で70センチに達したというこのトンボの祖先は、もう今のトンボとほとんど変わりません。
ちなみに石炭紀には、家庭の嫌われ者として名高いゴキブリも現れました。
実は同じくらい古い虫なんですね。

さて、そんな古い虫であるトンボの凄いところは、何と言っても強いところでしょう。
トンボの脚、あれ不思議に思いませんでしたか?なんであんなに曲がってギザギザしてるんだろうって。
実はあの脚がトンボの最大の強み。
トンボは獰猛な肉食昆虫で、大好物は小さな昆虫。つまり、ハエやカみたいな嫌われ者たちを優れた飛行能力で追い回してスイープ(掃討)して生きていますが、小さな昆虫を捕まえるときにはあの特徴的な脚はカゴの役割を果たします。
高速でハエやカを追いかけて、脚でキャッチしたら、頑丈なアゴで生きたまま食べる。30分くらいで自分の体重分の虫を捕まえてしまいます。優秀!
もちろん無敵ではなく、鳥や人間なんかは天敵ですが、それでも十分に強い虫。空の王と呼ぶに相応しいスペックと風格、歴史を備えた虫、それがトンボなのです!

ちなみに、トンボは水の中でも結構最強で、ヤゴ(トンボの幼虫)時代は水生昆虫としてその暴力性をいかんなく発揮します。エサは小魚や昆虫、そしてボウフラ。やり方(殺り方)は持ち前の鋭いアゴでスピーディにキル&イート。特にボウフラは好物みたいで、飼育する場合にも餌として使います。

蚊にとっては幼少期も大人になっても天敵ってことですね。

身近な友達で、小さい頃から関係が変わっていないいじめっ子といじめられッ子がいたら、それは蚊とトンボの生まれ変わりかも知れないですよ。


プロ

どんなものにでもプロはいる。しかし、プロという言葉は曖昧模糊としていて実感に乏しい。

プロはプロフェッショナルの略語で、専門家とか求道者みたいな意味を持つ。要はひとつの分野を深掘りして、かつそれを他人が価値あるものとして認めたところからプロになる。

野球選手や大相撲の力士は、言わば競技を突き詰めて追い込んで極めたからこそプロフェッショナルの称号を得る。それぞれの世界で競争はあるものの、まずなることすら難しい世界。故に彼らはプロフェッショナル。

そんな雲の上のプロフェッショナルを睨みながら、身近なとこにもプロフェッショナルはいる。我々の豊かな暮らしはプロフェッショナルによって成り立っている。

例えば、お米とかお魚とか、自分達じゃあ作れない。そこでプロフェッショナルの登場。美味しいお米やお魚を見極め、かつ適切な価格で仕入れ、提供する。この過程がいい加減だと、食卓が荒れて、生活が荒む。食べ物のプロフェッショナルは、生活の豊かさにつながる。

他にも、車のプロフェッショナル。作るのは作るプロフェッショナルの仕事。売るのは、売るプロフェッショナルの仕事。車は一度買えば何年も付き合う。だから、パーフェクトな仕事を成されて、安心安全な状態の車を、誠実で心底車とオーナーのことを考え抜いたプロフェッショナルが売る。
いい加減な仕事で作られて、いい加減なセールスマンが売った車は、長年の不幸の原因になる。

他にも、笑いのプロフェッショナルというのもいる。そこにいる人間がどんな不幸の底にいても、その場だけは笑いを生み出す。

じゃあ、音楽のプロフェッショナルってなんだろう。

突き詰めた先に価値を生じせしめるものかな?

確かにそういうミュージシャンもいる。ベートーベンは耳が聴こえないのにあれだけの曲を作った。頭の中にピアノと楽譜が出来てしまうくらい打ち込んだからだろう。
演奏者としてもリストやパガニーニ、ジミヘンみたいな偉大なミュージシャンはたくさんいる。ストイックに、人生かけたミュージシャン達だ。

この人たちは、誰かに強制されたわけじゃない。単純に好きだから、から始まったものが、ここまで導いた。才能は元より、好きって気持ちでやりまくったら、すごい世界にたどり着いた。

求道者ってよりも、殉教者か。

結局、いかに愛せるかなんだろうね。
車でも、お米でも、お魚でも、笑いでも、音楽でも。
いかに自分のやっていることが好きで、その上で知り尽くす。ベースには愛しか無い。その気持ちが人に伝わったとき、理解を生むんじゃないだろうか。

だったら俺たちはバンドのプロフェッショナルを目指したいし、そうありたい。金持ちになるとか、音楽で成功するとかじゃなく、聴いてくれた人がちょっとでも楽しい気持ちになったり、バンドの楽しさが伝わって、自分もやってみようとか思えたり。

三人で出す音が大好きなんだ。
でも、まだまだだ。
愛はそのままに、もっと突き詰めた先に何があるのか。

それが誰かの幸せにつながっていて欲しいなあ。


モンシロチョウ

秋のこの時期には、モンシロチョウがよく飛んでいます。今日はそんなお話。

モンシロチョウって、厳しい冬の終わりと穏やかな春の訪れを告げる虫、っていうイメージが割と一般的なんじゃないでしょうか。確かに春によく飛んでいますよね。でも、夏から秋のこの時期にもよく見かけます。
成虫が長生き?なわけではありません。

モンシロチョウは、一年で世代が二回変わる虫なんです。

つまり、春先にひらひらしているモンシロチョウは、その短い成虫期に繁殖して子供を残します。
モンシロチョウといえばキャベツ畑っていうのは固定化されたザ・ハイロウズな感じですが、あんな感じの柔らかい葉っぱに卵を産みつけ死んでいきます。
さて、卵は二週間で孵化して柔らかい葉っぱをもりもり食べてぐんぐん育ちます。みんなが良く知っている青虫さんはモンシロチョウの幼虫です。
青虫は四回脱皮すると、糸を吐き、反り返り、固まります。サナギになります。サナギは暖かければ一週間くらいで羽化して、また空をひらひらします。
そう、この時期のモンシロチョウは、春先のモンシロチョウのお子様なんです。

さて、まだ暖かいとはいってもじきに冬。こんな時期に羽化しちゃったモンシロチョウはどうやって子孫を残すのでしょう。

基本的な手順は卵を産んで、幼虫がかえり、青虫としてすくすく育ち、やがてサナギになる。これは同じ。しかしここから先が秋のモンシロチョウのスペクタクル。

なんとサナギは、サナギの状態のまま冬を越します。不思議なことに、モンシロチョウのサナギは、寒い中でも凍えない上に、餌も必要としないで数ヶ月をサナギのまま生き延びられるのです。

サナギをそっと調べてみると、心拍数は非常にゆっくり。体温も低い。
つまり、仮死状態。これで一冬を乗り越えたサナギは、次の春に羽化して、またキャベツ畑をひらひらします。
一年の間に二世代移り変わるわけです。

呑気なイメージのあるモンシロチョウだけど、厳しい冬の寒さを乗り越えてひらひらしている。
季節以外にも人間、アシナガバチ、アオムシコマユバチみたいな天敵の魔の手を逃れ、キャベツ畑でひらひら。

モンシロチョウは小さくて、地味だけど、実はすごい虫なんだぜってお話でした。


感謝と野望

遅くなりましたが、9月22日のライブにお越しいただいた皆様、ありがとうございました!
また、毎回素晴らしい場を提供してくれる代々木ブーガル、本当に感謝です。
そして、新しい刺激や様々な感覚をもたらしてくれたSWEET MYSTERY OF LIFEの皆様、ILL APPLEの皆様、はじめまして。今後ともよろしくお願いします。

さて、ここからは今回の総括。

今回のライブは、元々予定されていなかったとは言え、一時間という比較的長い時間をどうやって染め上げるかが大きなテーマでした。

全部新曲のライブをやりたくて準備してきたものの、あくまで30分程度のステージを想定していた我々的には一時間と聞いて、もっと曲を作るか?という考えもありつつ、新曲ベースでベストな布陣で望む方向にしたのは正解でした。
中途半端な曲を用意するのが一番いけないし、中途半端な状態のバンドは見せたくは無い。

9月に入ると新曲たちは全て良い感じに仕上がり、旧曲たちは熟成されて、なかなか面白い雰囲気に。
一時間を染め上げるって課題は、いつの間にか時間オーバーしないかに変わっていました。(ちなみにミュージシャンとして時間を押してしまうのはかなりワーストだと個人的には思っている。みんなその後予定があるわけだし)

そして、先日のライブにつながる。
今思い返しても、かなり充実したステージだった。

様々な偶然が重なったとは言え、普段の積み重ねがいかに大事か思い知らされるライブだった。新曲も何もやんないで一時間と聞いたらかなり焦った筈だったろうし。

また新曲たちもなかなかに粒揃いな子供達。個性豊かで可愛らしい限り。どんな風に育つか楽しみ。

22日は大きな飛躍への一歩になると思う。これからも妥協無くやり続けて、さらに進化する。これからのヴードゥ・ダック・スターズには期待して欲しい!

ってわけで、次はライブでも告知した沼部を舞台にしたパーティライブ「鴨の恩返し」。
酒あり、食べ物ありのお祭りだけど、最大のポイントは俺たちヴードゥ・ダック・スターズを使ってカラオケができるぜ!というところ。
曲ならなんでも良いよ。
編成的に無理な1001のバイオリンとかはちょっと厳しいけど、多少ならなんとかできるから。
Perfumeでも、岡村孝子でも、アニソンでもなんでも、リクエストを楽しみにしています。
日程は近々告知するので、まずは歌いたいマインドを高めていて下さい。

よろしくお願いします!


ライブハウスの酒

三連休の中日。皆様いかが御過ごしですか?

各地ではお祭りが開催されていますね。
横浜ではビアフェスが開催されてます。
酒飲みの祭典ですね。僕はいかないけど。

まあ、そんな中、僕らはというと、練習ですよ。
三連休は、22日までにまとまった確認をする最後の、かつ絶好のチャンス。
ひたすらスタジオに籠って歌詞をまとめたり、アレンジ再考したり、合わせてみたり。
やることは本当に多いのです。

幸いにして、やればやるほど良くなるので、22日は相当良いライブになると思います。
ベーシスト的には、今まで使っていた愛機「サンダーバード」ではなく、今回からは「スティングレイ」でライブに臨みます。
ライブでスティングレイを使うのは2010年のホロビテさんのサポート以来。
もちろんヴードゥー・ダック・スターズでは初披露。どんな声で唄ってくれるのか、楽しみでもあります。
是非是非ご期待ください!

さて、今日はお酒のお話。

お酒はいつも飲んでいるけど、
そういうデイリーなお話ではなくて、今日のテーマは「ライブハウスのお酒」。
僕は自分が演者のときは絶対に飲まないと決めているから、たまにライブに行くと飲み過ぎる。
新宿の某ライブハウスにお客さんで行った時、あまりにハイペースで僕が飲むから、ドリンクカウンターのお兄さんが、

「10杯飲んだらただにしてやるよ」

という素敵なことを仰ってくれたので、まずは10杯飲んでただにして、そこから先さらに10杯。
合計20杯の生ビールを飲みました。
ちなみにそこのお店はビールにカールスバーグが置いてありました。

飲み口の非常に良い、デンマークのビール。大好きなビールの一つです。他の醸造所から盗み出したビール酵母を使って成功した、なんてトンでもない伝説もあります。

横道のそれましたが、その時のライブはとても楽しかったと記憶しています。
それはどういう楽しさだったかっていうと、もうなんか、「誰でもフレンド!」「何でも名曲」状態。知らない連中とモッシュしたり、知らないバンドさんの曲でアタマ振ったり・・・
完全ボーダーレス状態。今まで体験したことの無い、本当にハッピーな状態でした。

人間は普段の生活で心の弱い部分を防御するために、大なり小なりの「壁」を設けて生活しているけど、
実際はそれが時に重荷だったりストレスの原因になる。
だから時には解放して風通しを良くしてあげないと窒息してしまう。

お酒も、音楽も、結局は「心の解放」を目的にしている。
それが両方置いてあるライブハウスは、まさに心の解放を図るのにうってつけの場。
独特の空気感の漂う場で生の音楽と生ビールを両方摂取すれば、どなた様も皆ハッピー!自由の御空にアイ・キャン・フライ!

というわけで、22日は僕らの音楽だけじゃなく、代々木ブーガルの美味しいお酒と素敵な雰囲気もお楽しみください。
全てに酔いしれて心も身体も軽くなる、素敵な一夜にできるよう、ヴードゥー・ダック・スターズも頑張ります。