12/13 BABYMETAL「BABYMETAL WORLD TOUR 2015 in JAPAN – THE FINAL CHAPTER OF TRILOGY -」:横浜アリーナ

12月は毎年忙しい。特に第2週は重い。週の真ん中から土曜日まで、数日間連続の立ち仕事。慣れているとは言え、さすがに足が痛い。だが、帰り道の足取りは思いの外軽い。それもその筈。翌日12月13日には僕にとっては今年最後となるBABYMETALのライブがある。今年の1月10日から始まり、今回で5度目。観る度に研ぎ澄まされていくパフォーマンスに度肝を抜かれる。驚きと興奮の日が目前に迫っているのだ。加えて翌々日の14日には、過去何度も参加しようと思いつつ果たせなかった「大木兄弟聖誕祭」もある。足を棒にして駆けずり回る仕事を終えて辿り着いた二日間の休息日は、人生最良の二日間になる。そんな予感を前にしては、多少の疲労など関係なく気持ちが浮き立つ。

さて、その日が来た。

多少の疲労など関係無いとは言ったものの、やはり人間なので身体が重い。今回もPITで汗を流しつつ楽しもうと思っているので大半の時間を休息に充て、16時30分現着を目指して家を出る。
しかし、この計画は早々に崩れた。乗車した横浜線が遅れてしまった。これを計算に入れなかった自分の甘さを痛感する。動き出したものの、新横浜駅着は16時50分。駅のホームから横浜アリーナまでの距離、クロークまでの距離を考えると開演時間には間に合わない可能性が高い。少し考え、電車の中で覚悟を決めた。これしかない。
横浜線が新横浜駅についた瞬間、全速力で走ってみた。元々(中高生の頃だが)脚力には自信がある。信号の幸運も手伝って新横浜駅から横浜アリーナまで3分で駆け抜けた。が、クロークは裏らしい。何も考えずクロークまで走る。荷物を預けるのに手間取り、準備が整って17時ジャスト。開演時間だ!焦ってクロークからCブロックへ走る。会場の中に入るとまだ開演していない。安堵しつつCブロック最高峰に入る。刹那暗転。ギリギリセーフ。
さて、今年最後のBABYMETAL。さてどんなものを見せてくれるのか・・・

1、BABYMETAL DEATH
この日の一曲目は、オープニング曲として何度も聴いた「BABYMETAL DEATH」。何度聞いてもこれは燃える。複雑なリフと難解なリズムパターン、展開するたびにノリが変わる変態的な構成の曲を一発目に演るのはそれ自体ヘヴィ過ぎるが、この日の神バンドもBABYMETALも激しくスラスラと弾き、踊る。
この曲で僕が好きなのは、一番最後の部分。ダンスの終わりで肩で息をする3人の姿。歌がほとんど無い分ダンスの負担が大きいのが伝わる。でも次の曲では息が整っている。この子達が超人的な訓練を積んでいることを感じられるシーン。

2、ギミチョコ
BABYMETAL DEATHのアウトロの長ーーーーーーいギターのフィードバック音が切れると、慣れ親しんだイントロ。「世界的ヒット曲」のギミチョコだ。特にこの曲ではオラオラする要素が(僕には)無いので、じっくり聴く。何度聴いても、熱くなる。野太いビートと可愛らしい歌声、ダンスに酔いしれる。辛いものと甘いものを同時に味わうのに近い筈なのに、不思議な多幸感。「みんなー、はーじまーるよー」のコールで心の中の何かが溶解した。

3、いいね!
大好きな曲。100回聴いたら100回浮かれてしまう。浮かれ過ぎて記憶がまだらだが、ラスサビのSU-METALさんの声が過去最高に伸びていたように感じた。

4、あわだまフィーバー
これも大好きな曲。100回聴いたら150回浮かれてしまう(笑)暴力的なビートを声でぐいっと抑えつけることができるのはSU-METALさんにしかできない荒技かも。相乗効果で破壊力が半端ではない。サビの声はいつも以上に伸びやかで美しい。最高に楽しい時間。

5、神バンドソロ〜Catch me if you can
ここで3人娘がステージからハケ、しばし神々の時間。この日は藤岡神(G)、大村神(G)、BOH神(B)、青山神(Dr)。いつも以上に何を弾いているのかわからない、藤岡神のプログレッシブなソロ、正確無比はピッキングとフィンガリングで繰り出される大村神の音速ソロ、手元を見てもさっぱり弾き方がわからないBOH神の変態的ベースソロ、ラフにアプローチしているように見えるのに打音の一つ一つが綺麗でセクシーな青山神のドラムソロを経て、3人娘が舞い戻る。何回見てもいい場面。

6、ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト
7月のシークレットの時には疲れてて聴いた記憶が曖昧になってしまった。悔いが残るのでじっくり観る。僕がいたCブロックの最後方からでも娘達の脚さばきが良く見える。

7、ド・キ・ド・キ☆モーニング
大好きな曲の一つ。SU-METALさんの歌は疲れ知らず、YUIMETALさん、MOAMETALさんも疲れ知らず。BABYMETALでは比較的少ない部類の横ノリビートを乗りこなしながら、全身でグルーヴを紡いでいく。止まったり跳ねたり突き進んだり・・・自由にうねり狂う歌とビートの渦で夢見心地。

8、神バンドソロ〜悪夢の輪舞曲
ここで再び娘達はハケ、ステージ上は神々の遊び場になる。言い忘れたが、この日のライブは2daysの二日目。初日にはSU-METALさんのソロ曲「紅月」をやっていたので、僕が見に行った日には「悪夢の輪舞曲」をやるだろうと言われていた。僕は「悪夢の輪舞曲」の前にやる、このプログレっぽいソロの掛け合いが物凄く好きなので、この日は聴けてよかった。
「悪夢の輪舞曲」も神がかっていた。SU-METALさんは、本当に何かに取り憑かれたかのような「妖気」が漂っていた。さっきまで周辺でワチャワチャオラオラしていた他のオーディエンスも黙りこんで、ステージに魅入っている。圧巻のパフォーマンス。

9、おねだり大作戦
女王の時間が終わり、今度はBLACK BABYMETALの時間。この曲も大好き。リズムが気持ちよい。「私、パパのお嫁さんになるんだ♪」でオーディエンスがウォォォ!と湧くのはお約束。僕も湧いた。

10、新曲(修造)
ここでお待ちかねの新曲登場。紙芝居に松岡修造さん風の男性の絵。いや、そのままというべきか。力の限りを尽くして「修造」と叫ぶ。周囲でも「修造」コール。盛り上がるところはそこでは無いと理解しつつ、新曲発表の興奮が抑えきれない。
中国拳法風のダンスパフォーマンスに、戦う意思を表明する歌詞。物凄く素敵な曲だった。YUIMETALさんとMOAMETALさんのキレは凄まじく、食らったらシャレにならなそうな突きや蹴りの形を魅せていた。そして、SU-METALさんの歌。ロングトーンとハイトーンを自在に操りながら曲を表現するその歌唱力。形容する言葉が出てこない程の素晴らしい歌だった。セイヤソイヤの掛け声は否が応でも耳に残る。ソイヤといえば、ちょっと前なら一世風靡セピア、今ならBABYMETALと言われる日も近い(かも)。

11、新曲(ちがう)
続いて、6月の幕張で初披露の新曲。これもたまらない。楽しすぎて頭を振りすぎてしまった。どんな時でもSU-METALさんの歌は僕の中に轟いてくれる。最高すぎる。

12、メギツネ
再びファーストアルバムの中から。難解なメギツネを歌いこなしていることに驚いた。ここまで聴いてて歌がすごいことになっているとは分かっていたけど、本当に大化けしたんだ・・・あんなハードスケジュールこなしながら、影で地道な練習を積んでいた。結果はこの歌に全て凝縮されていた。SU-METALさんの真面目さ、ストイックさに頭が下がる。

13、イジメ、ダメ、ゼッタイ
ピットでわちゃわちゃしてたので曲は覚えてません・・・ごめんなさい。一つ覚えているのは、いつも以上にテンポが速かったように感じたこと。頭振るのも一苦労でした。

14、ヘドバンギャー!!
イジメでわちゃわちゃしていたら、Cブロック最後方から最前列付近に移動していた。ステージを見ると3人も神々も大きいので、縮尺狂ったかと思ったら、動いていたのは自分でした。下らない話を入れるくらいなので、この曲もほとんど覚えていません・・・

15、Road of Resistance
へとへとだけど、わちゃわちゃしないわけにいかない曲。WODの端っこに陣取る。OPの大合唱を経て、汗だくでくしゃくしゃの男衆とともに渦に飛び込む。転ぶ人多数だが、すぐに助け起こす。助け合いの精神が輝いている。道無き道でも、こういう心持ちならきっと怖くはないだろう。途中、良く聴きたいと思い、渦を抜ける。
歌詞の中身と、BABYMETALが歩んでいる道のりがシンクロする。目頭が熱くなる。強い意志、未来への希望、仲間との協力・・・いろんなヴィジョンが浮かんでは消える。SU-METALさんは、厳しい意志の表明とも言えるこの歌を、凛々しく堂々と歌い上げる。美しすぎる。

16、新曲(ららら)※ENCORE
この日の最後の曲は、幕張のラストでかかってた曲のフルバージョンと思しきもの。The Oneという言葉が散りばめられた印象的な歌詞。一部英語もあるけど、SU-METALさんは美しく歌う。この人の声を借りればどんな言葉でもきっと美しくなる。胸にこみ上げる様々な思いを感じつつ、魅入る。
天井から吊り下げられたゴンドラで、BABYMETALの3人はパフォーマンスをしていた。かなりの高さがある。見ていても怖い。ワイヤーがちょっとでも絡まれば、事故の原因。YUIMETALさんは心なしか表情が硬い印象。歌に感動しつつも不安でステージを見ると、数人の男達がワイヤーを懸命に捌いている。絡まったり事故にあったりしないための対策は万全だった。男達は全身から責任感のオーラを発しながら必死にワイヤーを操り、BABYMETALとオーディエンスを守っている。安心した。僕は歌に戻った。やがて曲は終わった。感涙だった。ゴンドラも戻り、娘達も消えた。ステージ上の男達は(聞いた話だが)少しガッツポーズをしていたとか。ワイヤーの神の働きも見事だった。

ライブは終わり、新たな発表が次々繰り出される。「セカンドアルバム」と来年のツアーファイナルが「東京ドーム」ということが発表された。正直、セカンドアルバムの発表でもう十分だった。なのに来年のツアーファイナルが東京ドームということまで発表された。大波が2つ来た。汗か涙かわからない液体で顔が濡れている。隣には、やはり同じくぐしょ濡れの紳士がいた。なぜか思わず抱き合って喜ぶ。「よかった!本当によかった!」という言葉を何度も繰り返した記憶がある。
この物語はまだ続く。大きな目標に向けて。BABYMETALはまだ続く。新しい歌も聴ける。いろんなことが重なり合って、発せられた言葉なんだろうと思う。
こうして2015年最後のライブは終わった。
今年見たどのBABYMETALも最高だったが、横浜のBABYMETALはベストワンだった。
最新が最良で最高。そんなグループがどこまで上り詰めることができるか。
目標は大きいけど、彼女らなら打ち勝つことができるだろう。
来年もまだまだ楽しみたい。
広告

7/28 BABYMETAL「APOCRYPHA – Only The FOX GOD Knows -」:TSUTAYA O-EAST

幸運。

それ以外、言い表しようのない偶然の力で、僕はこのライブに参加することができた。そして参加した今においても、幸運であったことを強く実感している。幸運をできるだけ多くの人と共有すべく、可能な限り仔細にこの日のことを書きたい。

 

 

 

 

僕は基本的には、物販は並ばない。稼いで増やせるお金のみならず、減る一方の時間と引き換えに手に入れる「もの」に大した価値はないと考えてるからだ。しかしながら、このライブに参加できる「幸運」はどんな形であれ、誰かに還元したい。そんな想いが当選発表があった直後からあった。幸い、限定のTシャツが発表されたので、自分の想いは、欲しいと意思表明している人のために手に入れるための手段として活用することになった。

 

とはいえ真夏の物販、真夏のライブ。ライブ前に、物販疲れで倒れるなぞ本末転倒も甚だしい。僕も長年様々なバンドのライブに足を運んでいて、TSUTAYA O-EASTのキャパは十分知っている。自分が体験したことが無い密閉空間でのBABYMETAL。これまでは相当遠くから眺めるだけだったのが、今回だけは違うことになるだろう、ということはある程度予想がついた。さらに、僕に割り当てられた整理番号が比較的早い121番だったという事実が、より気持ちにリアリティを与えてくれた。本質は、ライブ。

前回の幕張以上に「観る」「聴く」「感じる」。さらに、圧縮やモッシュがひどいとされる狭隘なスペースで「怪我をしない、させない」。「記憶にとどめる」。そのための土台となる「体力の確保」。物理的な暑さ対策・疲労対策はしっかりと施し、物販の後もライブを楽しめるよう準備を重ね、当日に臨むことにした。

 

 

さて、場面はその日の朝。野菜とタンパク質の朝食を済ませ、忘れ物の確認をし、うさぎの「うに」に声を掛け家を出る。地元の京王ストアでトマトジュース他、必要なものを仕入れ、電車に乗り、午前11時過ぎには物販行列の最後尾に加わった。

 

15時半販売開始のものに炎天下の午前中から並ぶなぞ、以前の自分なら布団の中で聞き流す程度だったが、過去に「並んでも買えなかった」という話を目にしていたこともあり、万全で臨もうと敢えて挑んではみたが・・・・30分も経たないうち、自らの経験不足を呪った。退屈とはここまで時間の進みを遅くするものか。思えば、「時間を食う道具」をついぞ携帯に依存してきたが、携帯の電池が消耗することを深刻に考えていなかった。電池は無情にも減る。予備もあるとはいえ、怪しい。しかしながらある程度時間をかけたところを放棄するのもどうかと思われた。幸い、物理的な暑さは日陰に入ったことと、各種対策を施してきたおかげで、それほど苦にはならない。時間の経過についても、周りで流している音楽やら会話に耳を傾けているだけで進みは多少早くなる。さらに、午後に入り業務上の調べ物が発生したことも追い風になった。結局、物販開始が前倒しになり、15時過ぎには目的のものを手に入れることができた。

 

 

やや離れた場所のマクドナルドで、涼気と電気と栄養を確保し、自分と自分の退屈しのぎに健気に付き合ってくれた携帯電話に休息を与えつつ、時間まで過ごす。5月末のさくら学院のイベントで本人確認不備による門前払いを食らったという経緯もあり、楽しみよりも不安が大きい。そもそも自分が入場できるか。デジタルチケットなるものは本当に大丈夫なのだろうか。小煩い感情が騒ぎ立て、ライブへの実感があまり湧かまま入場時間が近づいたので会場に戻る。

 

 

会場近辺で、多くの人と会う。話をする。そうする内、入場開始となる。整理番号121番が呼び出され、デジタルチケットの確認、そして独特な「顔認証」となる。少し待たされたが、無事クリア。ここでようやく自分のライブが高まって来た実感がある。

 

BABYMETALのライブは「圧縮」がひどいとされている。僕は、肋骨に古傷があるから、圧縮は受けたくない。事前に親切に教えてくれた人の話に従い、「2列目の柵」を目指す。首尾よく、中央付近の場所を確保。時間は入場開始の18時をほんの少し回ったところ。ステージまでの距離は、(あてにならない)目視で6mから10m。有りえない近さ。刹那、汗が噴き出し、口が渇く。これからそこに登場する人を思い描き、興奮する。SEが耳に入らない。さらにBABYMETALに出会った1年前のことを何故か思い出し、不意に切なくなる。あの頃、食い入るように見ていたパソコンの小さな画面の中の存在が、これからここに登場する。キツネ祭りや幕張でも見てきた筈なのに、物理的距離に勝てない。感情が吹き溢れそうになる。

 

 

そんな感情なぞを時間が何食わぬ顔で押し流し、客電は落とされた。いよいよはじまるのだった。

 

 

冒頭、「風の谷のナウシカ」のBGMと(それを意識した)世界観で彩られた紙芝居。記憶の中からたぐり寄せたものは「11の調べ」「キツネリス」。感情に支配されながらも、今日のライブは11曲なんだなと思い、紙芝居は終わり、ライブのはじまりが告げられた。

ステージ上には3人の少女が居並ぶ。観たくて聴きたくて仕方なかった、BABYMETALだ。近い距離で見ると、彼女らの身体の輝きが違うのが分かる。さながらコスチュームを纏った発光体。後ろには、超絶無比の神バンド。フロア全体が熱気を帯びてとてつもなく暑い。湿度もある。数秒の間が長い。1曲目に何を持ってくるかを皆が待ち構えている。

 

熱気と狂気を孕んだフロアに最初に落とされた曲は「イジメ、ダメ、ゼッタイ」。これまで1曲目で持ってくることはあまりなかった・・・と聴いている。SU-METALさんの切ない歌声がピアノの調べとともに響く。一時的に生み出された静かな空気は、強烈なビートと力強いシャウトで切り裂かれ、YUIMETALさん、MOAMETALさんがステージを駆け抜ける。大変な夜が幕を開けてしまった。

 

 

1曲目の「イジメ、ダメ、ゼッタイ」が、はじまった以降の記憶が若干途切れ途切れだが、SU-METALさんの声は物凄く強く、凛々しく響き渡っていたように感じた。過去、あらゆる音源・映像の中で最も良かったのでは無いかと思う程だ。YUIMETALさん、MOAMETALさんの動きは(ついついSU-METALさんばかり見てしまうので)追いきれていないが、速かった。なんとなく以前よりもシンクロ率がさらに増したような実感を覚えた。

 

 

2曲目は大好きな「いいね!」。自分の立ち位置(2列目の柵)が好ポジションということがここで実感された。ステージ上の3人と、とにかく目が合う。YUIMETALさんやMOAMETALさんばかりでなく、SU-METALさんとも。彼女らが客を確認しながらショーを行っていることが良く理解できたが・・・3人と入れ替わり立ち替わりに目が合う。その度にどきりとさせられる。SU-METALさんの目はダイヤモンドのように輝いていた。MOAMETALさんは、きちんと相手の顔まで確認して「ニコッ」っとするので、こちらもついつい表情が緩んでしまう。さぞだらしない顔を彼女らに向けていたことだろうと、今更ながら照れ臭い。

 

 

3曲目は(これも)大好きな「あわだまフィーバー」(仮)。楽しすぎてぶっ飛びそうになる自分を地上に引き戻しながら観ていた。いつもながら、この子達は踊りが上手い。振り付けが思った以上にややこしいのが見て取れるが、彼女らは「それが何?」とでも言うがごとく、笑顔で軽々と踊り、声を朗々と張り、歌っていた。神バンドのビートはこの曲ではすこぶる凶悪な印象だった。暴力に近いビートが可愛らしさと供に攻めてくる絵は、この「バンド」のライブでしか存在し得ないだろう。SU-METALさんがサビの歌を客席に振る。後ろで大村さんが、聞こえない声と表情で客席を煽る。極悪すぎるコンビプレイ(?)を目の当たりにした瞬間だった。

 

 

4曲目は「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」。ここまでの3曲が殆ど息もつけないくらいの調子なので、少し落ち着いた気持ちで観ていた。会場は、スタート時よりも気温が増していたような印象だった。BABYMETALの3人も既に汗だくだったが、キレのある動き、強い声、笑顔。

 

 

5曲目。ここで一旦BABYMETALはステージからハケ、しばし神々の時間。神バンドのソロ回しからの「Catch me if you can」。ベースのBOHさんのソロ終わりに感極まり、(聞こえるわけがない)デス声でBOHさんの名前を連呼してみたが、喉を痛めただけであった。ギター藤岡さんの奇妙なソロ、同じくギター大村さんのテクニカル過ぎるソロ、ベースのBOHさんのスラップ中心の超変態ソロ、ドラムの青山さんの雷鳴のようなソロを経て、ステージ上に再び3人娘が戻る。何度観ても聴いても、この流れは秀逸。Aメロの演劇的とも言える3人の動きを至近距離で目の当たりにできただけで、僕にとってのこのライブは十分意義深いものになったと思える程、中身がぎゅっと詰まっていた。

 

 

6曲目。大好き過ぎる「ド・キ・ド・キ☆モーニング」。目の前で寝転ぶ図がイントロで思い起こされて、はてさて困った、となる。3人は絶好調。SU-METALさんの歌は止まったり走ったりを適宜繰り返しながらうねり狂う。YUIMETALさんもMOAMETALさんも、汗まみれでも笑顔で正確にステップを刻む。タフネス。

 

 

7曲目。幕張で初披露の新曲。これは個人的にハイライトだった感あり。大サビで、神バンドと3人娘がシンクロするかの如く見える瞬間があった。フロアはステージ上の7人の完全なる支配領域。この曲で、7人編成のバンドだと強く思った。ダンスも見せ場は多いが、神バンドの動きがそれと連動するかのように見え、彼らもまた曲に入り込んでいるのが分かった。圧巻のパフォーマンスだった。

 

 

8曲目。ここでSU-METALさんが下がり、「4の歌」が投下される。自分も含め、かなり疲労の色が濃いフロアの状況を尻目に、YUIMETALさんはマイペースに踊りまくり、MOAMETALさんは慈愛の笑みを浮かべながら煽りまくった。体力を消耗したことは想像に難くない。

 

 

9曲目。この時、知らない間に当初の場所を放棄して、前から3列目くらいのところに(無意識に)移動していた。既に消耗もピークだったが、物悲しいピアノの調べが一気に疲労の淵から呼び戻す。

「紅月」だ。

1年前のソニスフィアのファンカムで完落ちする前後、パリやLAのファンカムでたくさん見聞きしたあの曲。SU-METALさんが一人で歌い切るスピードチューンは、このタイミングで投下された。

表現しようのない時間だった。SU-METALさんは、鋭く強い声で歌い、踊る。ギターソロの場面では、両神にセンターを譲り、それを背中で受け止める。全て見慣れた光景だ。しかし、ソロの中間部。狂ったように弾く両ギタリストとSU-METALさんの揺れるポニーテールを見た瞬間、やはり熱いものがこみ上げる。そうだ、俺が見たかったのはこの風景だ。このために、今日ここに来た。物理的な距離にして3m程度。インターネットで見ていた時とは違う。心から見たかったものが、そこにあった。歌は最早言わずもがな。すごいものはすごい。

 

10曲目。「ヘドバンギャー」。ステージ上の3人が滝のような汗をかいていた記憶がある。3列目付近に居座り続け、ステージを眺める。圧縮は大したことはない。だが、かなり疲れていたのか、あまりはっきりと覚えていない。無念。

 

11曲目は「Road of Resistance」。既に体力は限界だったが、WODを待つ。先日の幕張から、この儀式がクセになった感がある。へとへとでも、取り敢えず大合唱。不敵な表情のSU-METALさんは「割れろ割れろ」と合図を送る。見上げるとMOAMETALさんと目が合う。こちらも不敵な表情。YUIMETALさんは、きりりと引き締まった表情。熱気と湿気の中で休みなく歌い踊る側の方が疲れている筈なのに、そんな雰囲気は微塵もない。俄然、こちらも笑顔で走ろうという気になる。周りの「仲間たち」は、くしゃくしゃの笑顔で左右に分かれる。準備は整い、曲は進む。「ワン・ツー・スリー・フォー」でフロアがぐちゃぐちゃになる中、必死でステージを観る。聴く。SU-METALさんの声は、鋭く響く。最後の最後まで絶好調な印象。この歌声に何度想いを馳せたことか。

 

 

やがて曲が終わり、少女たちはくたびれ果てたオーディエンスに可愛らしく「see you!」と言い残し、ライブは終わった。冒頭で宣言があった通り、11曲。アイコン的な存在とも言える「ギミチョコ」の他、「BABYMETAL DEATH」「メギツネ」「悪夢の輪舞曲」「おねだり大作戦」はこの日のセットリストには入らなかった。

 

 

 

 

ライブ前に様々な憶測が飛んだが、結果的には新しい発表めいたものは何もなかった。ただそれは、ライブの価値とはまた別の次元にある、と僕は思う。ライブ単体としてみれば、これまで見たBABYMETALのライブの中で群を抜いて素晴らしかった。「ギミチョコ」などの膾炙した曲がなくても、十分過ぎるほど楽しかった。想像だが、EASTクラスのライブハウスはやりやすいのかも知れない。今まで見てきたBABYMETALとは、別物だった。ラウドで、タフで、知的で、美しい。大きな場所では気づけなかった魅力を目の当たりにすることができた。

容姿に限って言えば、BABYMETALの3人は過去最高に美しかった。過去の写真や動画などの記憶を総動員して見比べても、最も美しかったのではないだろうか。しかも、その3人は休むことなく強い声で歌う。動くたびに彼女らも汗が飛び散る。休む間の無いセットリストのため、水に打たれたようになっている。それでも笑顔で、強く踊る。歌う。その影でどれほどの訓練を積んでいることか。

神バンドと3人娘のシンクロ率については当初から着目していたが、いよいよ本格的に7人バンドという様相だった。中でも大村さんは、頭が取れてしまうかと思うほどの激しいパフォーマンスを見せていた。神バンドメンバーとしての矜持や誇り、その場にいられることの充実感が伝わってくる思いだった。プレイも過去最高に熱かった。

 

 

総括すると、「最高だった」としかいいようが無い。新曲も発表も無くても、彼女らは十分過ぎるほど最強のエンターテイナーだ。そのライブで得られる充実感は、他のミュージシャンでは得難い。

想像するに、EASTクラスの箱はやっぱりちょうどいいのかも知れ無い。オーディエンスのリアクションを確かめながらライブを進める。そこには確たるコミュニケーションが存在した。次のZEPPツアーでは、そういう彼女らを観せていくのかも知れ無い。全ては想像。だが、想像もまた楽しい。

 

 

この物語には、まだまだ終わりは見えない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


歌のグルーヴ

昨年夏、鮮烈という言葉で言い表せ無い衝撃を僕に与えてくれたSU-METALさん。1月のキツネ祭りの感想で「上手いなんていうレベルでは無いボーカリスト」とお伝えしましたが、今回はその「凄さ」に、僕なりにアプローチしてみたいと思います。

 

 

SU-METALさんの歌についての評価をする場合、あの「突き抜ける美声」を挙げる人は多いですし、実際あの「声」は彼女のトレードマークと言ってもいいと思います。力強いロングトーン、細い身体から想像もできない声量は印象的ですね。ただ、SU-METALさんの歌は、単に声の魅力だけでは説明付かない「何か」を感じている方もいるのではないでしょうか。

僕が感じるのは、SU-METALさんの歌は物凄く「ノリ」がいいんです。ここで言う「ノリ」というのは、別の言い方をすると「グルーヴ」とも言うやつで、リズムのメリハリ・テンポキープ・音のニュアンス・ビートなどなどを総称した「音のうねり」とでも言うべきもので、かっこいいバンドアンサンブルには必要不可欠な要素なんです。逆にこの能力が弱いと、ペタっとしたメリハリの無い歌になり、聴いた人の多くはそれを「面白くない」と評価すると思います。

ちなみに僕がSU-METALさんの歌において、その「ノリ」の良さを感じたのは、以下の2つの動画を見た時です。

1本目は、彼女らのデビュー曲「ド・キ・ド・キ☆モーニング」。リリースは2011年の10月なので、SU-METALさんは13歳ですね。実際のレコーディングは多分12歳頃だと想いますが、小学生に歌わせるには相当ハードルの高い曲だと思います。マシンガンのような早口言葉のAメロ、サビへのブリッジとしての側面が強く、軽く流す感じのBメロ、跳ねながら疾走するサビ、というカオスな構成の歌を、まだ幼いSU-METALさんは実にさらりと歌いこなしています。

レコーディングだと判りにくいですが、ライブではSU-METALさんは持ち前の「グルーブ」を遺憾なく発揮しています。Aメロの早口言葉は小気味よく可愛らしく、やや抑え気味なBメロからサビで爆裂させる、という流れを深いメリハリをつけながら見事に表現します。僕の中での聴きどころはサビのリズムセクション(ドラム青山さん、ベースBOHさん)とSU-METALさんの連携。

ここはSU-METALさんは全て歌い方を変えていて、「りんっりんっりんっ」の歌い方一つとっても全部変えてるんです。ドラム・ベースの跳ね方のニュアンスを感じながら意図的に「調整」をかけつつ、ぐいぐいと疾走する。細かく聴いていると、ドラムとの「対話」は多いですね。しかも、あくまでも曲で演じているキャラクターは可愛らしさを基調としています。これらを全て表現するSU-METALさんは「本当に何者なんだ」と感じです。

2本目は何度か紹介している「イジメ、ダメ、ゼッタイ」のライブバージョン(ソニスフィアのファンカム)です。僕が完落ちした彼女らの代表曲ですが、こちらではSU-METALさんの「ノリ」のもう一つの魅力である「疾走感」を堪能できます。

「ノリ」にも色々あって、SU-METALさんは比較的「前ノリ」。それがこういうスピードチューンには見事にはまると思っています。ちなみにSU-METALさんの「前ノリ」を確認しやすいのは、こちらの動画。

さくら学院の「My Graduation Toss」。この曲の1分近辺からソロパートになりますが、比べて聴くとここでソロを取る中元すず香(SU-METAL)さん、堀内まり菜さん、佐藤日向さんの3人がものの見事に「ノリ」が違うんです。つまり、最初のソロの中元すず香さんは「突っ込み気味の前ノリ」、次の堀内まり菜さんは「結構後ノリ」、最後の佐藤日向さんは「ほぼジャスト」。3人それぞれ上手い人ですが、リズムの取り方などにはそれぞれの癖とか個性とかそれまでの音楽遍歴なんかも影響するので、こんな感じで分かれることもあるんです。(個性なので、良し悪しの話ではない、ということはお断りしておきます。)

さて「イジメ、ダメ、ゼッタイ」に話を戻すと、SU-METALさんの「独特の前ノリ」は、この疾走系のスピードチューンにおいてはとてつもない「推進力」として機能しています。バンドをぐいぐいと声で引っ張り、オーディエンスにずいずいと切り込んでいく、「声の槍」ともいうべきものですね。

 

 

さて、バンドを引っ張る強力な「推進力」と、バンドと連携しながらリズムを丹念に紡ぎあげることができる「センス」。この二つがどうして彼女の中で同居し得るか、ということも少し考えてみたいと思います。

僕が、SU-METALさんの歌の魅力を探求する中で印象的だったのがこの映像です。

この時、11歳。この歌の中でSU-METALさんの何が特徴的かというと、あの体の動かし方なんです。最初、不思議な動きをしていますね。曲の後半になると、足の動きも加わります。これこそが、SU-METALさんの歌の魅力である「ノリ」を明確に表しています。リズムを身体で捉える、ということをこの歳からやっています。曲の呼吸みたいなものを、なぜかこの人は身体で感じて声に出す、というのが分かっているみたいなんです。それ以外の要因(言葉や表情)は当然ありますが、この身体の動きが歌に命を吹き込むポイントだと僕は思うんです。身体が曲を感じて、身体で歌う。言うなれば音楽そのもの。それがSU-METALさんの特徴なんじゃないかなと思うんです。

現在、身体を使うというのはもっぱら振り付けですが、それも実は彼女の中では変わらなくて、身体で歌うということの延長なんじゃないかな、と時々思います。ただ、なんとなく身体動かしながら歌っていたのとBABYMETALの過酷な振り付けはレベルが違う。それでも、彼女の中で折り合いつけるために、とてつもない訓練を積んでいる。歌いたい歌があって、それを目指して厳しい努力を怠らない。どんな体勢からでも強い声を出せる努力を常に行っているからこそ、あのパフォーマンスができると考えます。

SU-METALさんの歌の最大の魅力は、そんな全身全霊なところに帰結するのかな、という感じです。

 

 

 

 

 

本当にこの人、刺激になります。サボってなんかいられない!って思わせてくれるんですもの。

 

 


前夜の話

毎夜毎晩酔っ払ってインターネット眺めていた。記憶も定かではないが、「今に飽き飽きしている自分」をただ探すためだけに、キーボードを叩き、動画を漁る日々。

そんな無為な日々に風穴を空けるような出来事が起きたのは今から1年前の6月頃。

真ん中に立っている女性(当時は年齢も知らなかった。後に知って驚くことになる)の雰囲気に圧倒された。「何者なんだ・・」と思った瞬間、既に陥落していたのだろう。

その後も酔っ払って動画を漁る日々は続く。今度は明確な目的のために。やがて知ることになる。英国のメタルフェスにこの子たち(時系列で言うと恐らく6月半ば。既に年齢を知って驚いた後だった)が出演すると。

「おいおいマジかよ・・・あたら可愛い女の子を傷物にする気か?」という感情は直ぐに抱いた。気に入らないアクトには物を投げるくらい普通にやる「文化」。下手をすれば立ち直れないくらいの精神的なダメージ負わせることになる。

しかし、それを彼女らは杞憂として消し去った。誰も想像したことの無い「伝説」を打ち立てることによって。

まだ「ファン」だとは公言も認識もしていなかった。ただ、無性に心配をしているだけの身だった。だが、この動画を見たとき、何かが壊れそして何かがはじまった気がした。以後、彼女らを探すインターネットの旅は速度も質もぐっと向上した。知識も情報も飛躍的に増えた。

ややあって、アカウントを消す筈だったTwitterも情報収集のためと再開した。そして僕を待っていたのは色んな出会いや経験、感謝と興奮の日々だった。

BABYMETALに出会った、ちょうど1年位前のお話でした。

 


6/21 BABYMETAL(WORLD TOUR 2015 ~巨大天下一メタル武道会~):幕張メッセ

約半年ぶり、2回目のBABYMETAL。

前回のさいたまの時が異様に舞い上がっておかしなテンションだった上に、ライブの記憶もぶっ飛ばしてしまったことは以前にもここで書きましたが、今回は「しっかりと堪能する」ことをコンセプトにライブに臨みました。

やはり、ライブは味わってこそ。SU-METALさんの歌声、YUIMETALさんのダンス、MOAMETALさんの表情、神バンドの卓越した技量、楽曲・・・はしゃいで全て忘れてはもったい無い。ライブは一期一会。その時の姿をしっかりと見聴きしたいですからね。

「堪能するライブ」のためにはしっかりとした準備が必要。21日の午前午後が「業務」の予定があって荷物やらスーツやらを輸送しなくてはいけないことがわかっていたので、前日20日の内にコインロッカーを確保するために幕張へ。首尾よくコインロッカーを確保し、会場となる3ホールあたりを偵察つがてらぶらつく。時間は午後。不意に聴きなれた声が「あわあわ」と言っているのが聞こえた。当日の開場が早い(15:30)ことを考えると前日にゲネプロをやるであろうことは予想できていたが、まさか本当にぶち当たるとは・・。自分の方が「あわあわ」な気分だったが、あまりにもいい声なので聞き惚れていると、やがて「聴いたことない曲」がはじまった。冷や汗。自分、ネタバレだめっす!無理っす!と(誰もいない廊下で叫んで)その場を逃げ去りました。パーティの支度を覗け無い自分、小心者。

さて、時間は一気にライブ当日へ。

前の予定が若干押した関係上、幕張への到着予測はかなりギリギリ。荷物を置いたり着替えたりして会場到着したのは開演5分前。ここで痛恨の事態。同じ日にメッセでやってた「ゲスの極み乙女。」の入場列に並んでしまうというアクシデント(自爆)に見舞われ、貴重な時間を5分ロス。幸い、「ゲスの極み乙女。」のファンの方が「ベビメタあっちですよ」と親切に教えてくれたおかげで5分ロスでエスケープ。結局、会場に入ったのは17:03。いい人がいたことと、開演が押したおかげで、助かった・・感謝感謝感謝・・・

僕はBブロックというところの後方に陣取る。場所でいうと以下のイメージ。

スライド1

 

 

 

 

 

 

 

 

3人の超絶な女の子と4人の超絶プレイヤーを堪能するにはベスポジ。当初のコンセプトは墨守。

やがて、SEが切れ、客電も落ち、ライブがはじまる。僕にとって半年ぶりのBABYMETAL。MOAMETALさんが途中叫んだ「みんな会いたかったよーーー!!!」は、むしろこっちのセリフじゃ!俺も会いたかった!

BABYMETALのライブは客席も激しいという。実際そういう場面も話もたくさん聴いて来たけど、僕がいたBブロックはメリハリが効いていたのか、後ろに下がって聴く人と真ん中辺でモッシュッシュをする人が綺麗に分かれていた印象だった。おかげで、聴きたい曲をしっかり聴くことができた。

凶暴なのにポップで中毒性が半端ではない未発表曲「あわだまフィーバー」や、神バンドの超絶ソロ回しと女の子たちのダンスがとにかく楽しい「Catch me if you can」、リンプが出てきてローリンしそうな「おねだり大作戦」、SU-METALさんのダンスと歌が妖気すら放つ「悪夢の輪舞曲」など、好きな曲をたくさん聴くことができた。

中でも、紅月でのギタリスト(藤岡さん&大村さん)とSU-METALさんの花道での絡みは本当に美しかった。超絶ギタリストの壮絶なソロを背中で流す女子高生は、この世に二人といないでしょう。

20日にニアミスした新曲もあった。タイトルは不明。気になっちゃってどうしよう、というのは聴き手の心情を物語るものなのかどうなのか。

 

 

総じて、ライブはさいたまの時よりも素晴らしかった。SU-METALさんの歌声は前よりも力強く、何度も感極まった。位置的にほぼ真横から見ていたおかげで、3人の連携や神バンドとの絡みが非常にわかりやすかった。真横だと、YUIMETALさんとMOAMETALさんがほぼ交互にやってくるので、3人をバランス良く見ることもできる。超という言葉では説明できないくらいの美少女。それも容姿がいいだけではなく、それぞれが個性的でカリスマ性豊かで、ダンスも表現力も爆発的。こんなグループ本当にいないと思う。

胸に去来する様々な思いをいなしつつ、ライブは後半戦へ。曲は、彼女らのアイコンとも言うべき「イジメ、ダメ、ゼッタイ」。やや後ろに下がり気味と思っていた自分が、実は引き寄せられるように前に移動していたことがここでわかる。ちょうど、WODの外側にいたのだった。※以下イメージ画像

B7I_fp8CMAEUYeu

 

 

 

 

 

 

目の前大体こんな感じでした。刹那、脳内作戦会議。

(BGM:「イジメ、ダメ、ゼッタイ」イントロ)

僕A「どうする?ここはコンセプトを墨守すべきではないか?」

僕B「いや・・郷に入っては郷に従うというのも法だろう・・」

僕C「せっかくの機会だ・・こういう楽しみもひとついいのでは・・?」

僕D「だけど怪我したら嫌だしなぁ・・」

–ここでSU-METALさんシャウト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全僕

「いけええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・当初のコンセプトは、かなぐり捨てられました。

んで、最後まで真ん中辺でわちゃわちゃし通してライブ終了!

結論は、めちゃくちゃ楽しかった!

 

確かに、外見だけ見ていると危ないように感じるし、実際転んだりする人もいます。でも、そういう人に手を差し伸べてさっと助け起こす人もいるのです。そう、ルールが無いように見えて、実はちゃんとルールがある世界なんです。ぐるぐる回りながらハイタッチするのなんか、一度やったら癖になりますね。やばいものの味を知ってしまった気がします。

 

 

じっくり聴くのもいい。身体で味わうのもいい。とにかく、他の誰かを危ない目や不快な気分に合わせなければ、自分のペースで楽しめる。やっぱりライブってこういうものだと、改めて思いました。

 

 

音楽って、エンターテインメントなんですよね。それって、誰かから「こうしろ」と言われて強制されるものでもなんでもなくて、全て「自分起点」なんだと思います。でもそれは身勝手でいいということではなくて、他の人の楽しむ権利を実は自分が守っているし、誰かに守られている。ごくごく当たり前の気づきですが、人の中で揉まれながら汗を流すのも楽しみなら、じっくり聞き惚れて熱い涙流すのも楽しみ。楽しみ方に唯一の答えなんか、存在し得ない。あるのは「楽しい」という気持ちだけ。ライブが終わったら、へとへとの笑顔で「最高だった」と肩を叩きながらお酒を飲む。この笑顔で終われるっていうのが、(まだ2回目ですが)毎回いいなあと思うのです。

 

 

BABYMETALは、この幕張の前まで約1ヶ月くらい海外ライブの嵐の中にいました。正直、かなり過酷なスケジュールだったので、端から見ている僕なんかは(そんな資格もないのに)ハラハラとアタフタとしていました。幸い、彼女らはこの「苦行」を乗り越え、さらに成長した姿で、楽しませてくれました。そしてこの「楽しさ」を必要とする自分はまだいるし、同じように感じている人は世界中にいることでしょう。

また夏には海外公演があり、秋には全国ツアーも(ついに)組まれました。日本が、世界が笑顔のピットに引きずり込まれることは、疑うべくも無いと思います。より大きな「現象」が生まれることは、もう期待でもなんでも無くなったと、この幕張のライブを観て強く感じるのでした。

彼女らのさらなる成長と挑戦の物語の続きが楽しみでならない。

僕はまだまだ楽しみ足り無い!

IMG_6938

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆セットリスト
—:紙芝居
01:BABYMETAL DEATH
02:ギミチョコ!!
03:ド・キ・ド・キ☆モーニング
04:ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト
05:あわだまフィーバー
06:Catch me if you can 神バンドソロ
—:紙芝居(BBM幕張ver)
07:おねだり大作戦
08:紅月-アカツキ-
—:神バンドソロ
09:悪夢の輪舞曲
10:4の歌
—:紙芝居
11:新曲
12:いいね!
13:メギツネ
—:紙芝居(IDZ)
14:イジメ、ダメ、ゼッタイ
15:ヘドバンギャー!!
—:紙芝居(RoR)
16:Road of Resistance
—:紙芝居(国内ツアー)

 


1/10 BABYMETAL@さいたまスーパーアリーナ

これまで数々のミュージシャン・バンドのライブを観てきたが、ここまでハマったものがあったかどうか分からない。僕の前に突如として現れ、心を鷲掴みにした存在、BABYMETAL。

 

2014年の6月頃にyou tubeで観たとある動画をきっかけに興味を持ち、英国のメタル・フェス「Sonisphere」のファンカムにて「完落ち」。にもかかわらず、懐疑的な思いを裏腹に抱えたままの僕は初動が遅れ、年内のライブ的なものは何も見られない。自分の決断の鈍さを呪いながら、非常に悶々とした日々を過ごした中、1/10のこの日を迎えたのだった。

パワフルで心地よく突き抜けるSU-METALの歌声や、とにかくキュートで激しいYUIMETALとMOAMETALのパフォーマンス。こうした魅力については、これまで自分が出会ってきた数々のミュージシャン(性別年代に著しい偏りがあるのは否めない)から得た感動とは全く異なるものだった。

待ちに待った、「その日」。それが、僕の1/10だった。本当に観たかった聴きたかった、BABYMETAL。そのライブを、もうじき体験できる。その事実は、僕にとってはあまりにも大きいことだった。

当日は夕方頃に会場に着く気持ちでいたが、朝からなんだかそわそわする。居てもたってもいられない。そわそわしても開演が早まるでもなし・・と気持ちを抑えつつも、なるべく近場に行っておきたい。僕の住んで居る「聖蹟桜ヶ丘」から「さいたま新都心」は、ちょっと距離がある上に、移動に武蔵野線を挟む。風が吹いたら危険だ。そんなわけで、結局、本来予定していた時間より少し早めに家を出た。

しかしながら、これはいい判断だった。自分が平常心では無い、ということを判断材料に織り込んではいなかったが、電車を逆方向に乗ったり、降りるべき駅を通過するなど、考えられないミステイクを連発してしまった。早めに出たのに予定通りの時間に「さいたま新都心」に着いた。(着いてからもそわそわし通しで、意図がわからない行動を取り続けていた気がする。)

間の行動は省略して、開場。

はじめてのさいたまスーパーアリーナ。スタンド200レベルの下の方、というところだったが・・・ステージが意外と近く感じる。

20150110212059

 

 

 

 

 

 

 

 

 

位置的にはちょうど正反対だけど、物理的な距離はこのくらいだったような。謎の橋はあるし、浮いている物体もあるし・・・これは一体どうなってしまうんだろう・・・ライブへの期待もさることながら、演出的な手法にも期待が高まる。

会場内の客入れBGMは総メタル。そもそもメタラーでは無い僕でも、結構知っている曲が多い。そして会場のそこかしこではこの方たちが客を煽る。

B6_Ys3ACUAAAqJc

 

 

 

 

 

 

 

 

 

既にこの時点で泣きそうになっている。どうしたことかどうしたことか・・・開演したらどうなるんだこれ・・・期待が少しだけ不安に変わる。あれだけ待ち焦がれたライブなのに、はじまった瞬間自分がどうなるか・・・ということへの不安が徐々に高まる。小心者。

と、そんな中、いよいよ開演!CDや各種映像で何度も観た、テレビでも観た、あのBABYMETALだ!

「きーつーねー きーつーねー」ってSE流れてる!やばい!やばい!メギツネなの?メギツネなの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きたああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バツン!!!!!!!!!!(記憶が飛ぶ音)

404_notfound

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・はい、実は、ライブ中の記憶がほとんどありません・・・ほぼ完全に・・・ぶっ飛んでました・・・・こんなことは、本当にはじめてです・・・・

 

気がついたら、喉はガラガラ、髪はぐちゃぐちゃ、首は激痛、リストバンドは泣いたか何したか、水分を含んでやたら重い。とりあえず、断片的な記憶の中の感想を箇条書きしていくと・・・

 

・SU-METALはめちゃくちゃ歌が上手い

単に声がいいとかそんなレベルのボーカリストでは無かった。表現力、カリスマ性、リズム感、どれを取っても非の打ち所がなかった。特に彼女がひとりで歌う「紅月」や「悪夢の輪舞曲」は圧巻だった。

・3人ともビジュアルが素晴らしい

音楽の世界に誘うには、それを誘発するビジュアル、カリスマ性が必要と思う。そういう意味で、3人とも完璧だった。

4mI6xf5p

 

 

 

 

 

 

 

・パフォーマンスがやばい

BABYMETALのライブは他と比べて短いと言われているが、3人とも終始素早く動き続けている。MCも無い。ダンスは良くわからないけど、常軌を逸したフリ(クラウチングで猛ダッシュみたいな)を繰り返す曲、テンポが異常に早い曲をくるくる表情を変えながらすらすらと踊り、疲れた様子など微塵も見せなかった。

 

・神バンドの演奏が超絶過ぎて泣く

本当に超絶過ぎる。どういう練習すればそんなフレーズ弾けるのやら・・・特にベースのBOHさんのプレイは人間業では無い。六弦ベースを自在に操り、タッピングやらスラップやら、難解なフレーズを縦横無尽に弾き狂いながらグルーブを産み出すプレイは、形容する言葉すら見当たらなかった。

 

・お客さんが激アツ

BABYMETALのオーディエンスは、普段はジェントルで良い人ばっかりだけど、BABYMETALに関しては熱い。僕はスタンドから眺めていて、あちらこちらでWODやらサークルモッシュが起こっているのを見た。

maxresdefault

 

 

 

 

 

 

しかも皆、笑顔。

 

結論的には、本当に良いライブだった。これまで観てきたいろんなものの中でも、間違いなくベストなものの一つだったと思う。そして、彼女らの年齢(平均15.7歳)を考えると、伸び代はまだまだある。この日のライブは、そういう意味ではまだ「通過点」に過ぎない。僕は、とんでもない世界の扉を開けてしまったのかも知れない、とさえ思えた。「アイドルかメタルか」なんて、本当にどうでもいい話。今、そこにあるものをカテゴライズする言葉が無いだけ。そしてそこにある「それ」は、燦然たる輝きとともに、大いなる感動をもたらした。そこにおいては、説明する言葉は意味がない。感動と興奮があるのみ。それだけで、もう十分。

 

音楽は、やり尽くされていない。まだまだ変わる余地がある。どんどん新しくなれる。でも、最終的に目指すことは、ただひとつ。その揺るぎない一点をBABYMETALは、独特な方法で示した。世界の新しい形を見る思いだった。

 

 

この日の夜のことを、僕は一生忘れない。そして、そんな夜をこの先幾千見られることか。感動と興奮の先導役、新世界の道標。BABYMETALへの、大いなる期待は尽きない。

 

 

 

【セットリスト】

1.メギツネ
2.いいね!
3.あわあわフィーバー(仮)
4.紅月-アカツキ-
5.おねだり大作戦
6.神バンドソロ~Catch me if you can
7.ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト
8.4の歌
9.神バンドインスト
10.悪魔の輪舞曲
11.ヘドバンギャー!!
12.ギミチョコ!!
13.イジメ、ダメ、ゼッタイ

アンコール
14.BABYMETAL DEATH
15.ド・キ・ド・キ☆モーニング
16.Road of Resistance