砲煙のアンサンブル

4月だというのに寒い日が続きますね。去年もたしかこんな感じ。きっと夏も暑いのでしょう。

さて俺はというと、最近はクラシックを良く聴いている。気候とは何も関係なし。嗜好と興味と勉強です。

クラシックにも色々あるけど、特に良く聴いているのはチャイコフスキー。13歳の頃、ブルーハーツとほぼ同じタイミングで俺の世界に音楽を響かせたミュージシャンのひとり。しばらく聴いていなかったけど、最近はヘヴィローテーション。流れない日は無いくらい。

13歳の頃の自分は、単純に気持ちいいから聴いていた。今の自分は、アンサンブルの構成方法とか、コード感とか、あらゆるものが刺激になる。学ぶ事が多い。でも本質は、あんまり変わらないと考えている。クラシックの楽器の響きとか、音、メロディ、本当に気持ちがいい。それは13歳の頃に聴いて感動した気持ちに近いものが割と今の自分にも生きている気がしている。

さて、物事なんでもきっかけになる「曲」っていうのがある。チャイコフスキーを明確に「好き」って思えるきっかけになった曲ももちろんある。それがこれ。

「大序曲 1812年」という代物。ナポレオンのロシア侵攻と失敗を描いた作品。テーマが分かりやすい。(フランス国歌とロシア帝国国歌が交互に使われる=戦闘シーンなど)

その上、とんでもないサプライズが用意されている曲。

まあ、ネタバレすると、この曲の中では普通は楽器として使われないものが使われている。

ひとつは「教会の鐘」。この曲の中で「祝福」を表現する部分で使われている。あともうひとつ。

それは

ちがった。こっちだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、大砲。

曲の終盤、ロシア帝国軍が反撃する場面と、潰走するフランス軍をロシア帝国軍を追撃する場面でなんと大砲が用いられるのです。用途はもちろん「ぶっ放す」。さっきのyou tubeのものも最後まで見ると分かるけど、大砲が4門ほど「楽器」として轟音をいかんなく轟かせています。(ちなみにあの動画は陸上自衛隊の観閲式の模様で、使用している「楽器」は105mm榴弾砲らしい。)

 

 

中学生くらいのときって、何となく大きなものとか、強いものとか、不可思議なものに憧れることがあるけど、そういう尺度にこの「大序曲1812年」はすっぽり収まった。そうやって興味を持って聴くようになると、実にこのクラシックというものが気持ち良くて面白いものだということになり、今に至る。

 

 

何となく聴かなくなって久しかった。でもやっぱり好きだった。時間を置いて気がつくこととか、自分が変わっていいと思えるようになること、もっと良いと感じられるようになること。忘れていた自分の気持ちとか。そういう物事に出逢うと、生きているっていうのがちょっと面白いものだと思える。

 

 

ましてや大昔の作曲家が魂込めて生み出した作品が今の世の中でも感動を生み出すっていうのが素敵過ぎる。本当にいいものは、残る。

 

 

いつかそういうものを生み出せたらいいなあっていうのは、ちょっと本音。というわけで、まだまだどっぷりハマる予定。